新型コロナウイルスの感染拡大で、外食業界が窮地だ。客足が遠のいているのは高級店やインバウンド比率が高い店舗。その一方で、テークアウトという強みがあるKFCやマクドナルドは底力を発揮している。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
新型コロナウイルスが、強い外食と弱い外食を炙り出す──。
新型コロナの感染拡大が止まらない。飲食店に予約システムを提供するテーブルチェックの調べによれば、東京都内で外出自粛要請が出された3月29日の飲食店の予約キャンセル率は41%を超え、通常の約4倍に達した。中でも10 人以上の団体客は予約キャンセル率が75%まで膨れ上がった。
都内のオフィス街にあるインドカレー店の店主は、「いつもならば平日のランチタイムの客は140人程度。ところが在宅勤務の推奨の影響で、客数が激減中。さらに深刻なのが夜間帯で、来店客が0人という日も増えてきた。店を開けていても、売り上げが立たない」と肩を落とす。
3~4月は歓送迎会のシーズン。飲食店にとっては書き入れ時なだけに、経営そのものを揺るがしかねない危機に直面している。
とりわけ小規模の飲食店では、手元の運転資金を1~2カ月分しか確保していないケースも多く、廃業・倒産の続出というシナリオが現実味を帯び始めた。